効率的な勉強方法を考える part4 〜記憶術〜

この内容は
効率的な勉強方法を考えるPart1
効率的な勉強方法を考えるPart2
効率的な勉強方法を考えるPart3
効率的な勉強方法を考える番外編

の続きです。読んでいただける方はそちらからどうぞ。

今日は、私が実践している記憶の工夫をいくつか紹介します。有名なものもありますから、実践されている方も多いと思いますけど。

13.大事なところから暗記する

私はTAC生なので直接聞いたわけではありませんが、クレアールの先生が「ワンワード法」と推奨されている方法と同じだと思います。(クレアールに通っている方のブログからキャッチした情報なので勘違いだったらすいません)


公認会計士の暗記事項は、単純なフレーズだけでなく長い文章を覚えることがありますね。そのときに活用する方法です。こういった暗記法が有効なのは、日本語の構文のせいです。英語の構文は基本的に「主語+述語+修飾語+修飾語+修飾語・・・」となるのに対して、日本語は「主語+修飾語+・・・+修飾語+述語」という語順をしています。


したがって、日本語の語順で暗記すると、最も重要な「主語+述語」の構文が後のほうまできちんと覚えないと頭に入りません。小学校のときに「主語と述語」を見つける訓練をやらなければいけないのは、こういう理由です。


当然、長い文章を一度に暗記するのは難しく、はじめはその一部しか暗記できません。そのときに、同じ一部の暗記になるなら枝葉となることよりも幹となることから暗記するほうがいい、という考えに基づいて「主語→述語→その他の修飾語」の順で覚えましょう、ということです。この方法の利点は重要な部分から覚えるので、一部しか暗記していなくても点数をとりやすいということと、重要な幹の部分を先に覚えれば後の枝葉は関連して覚えやすい、の2点です。例えば、


山田君は、昨日の夜、くさったかきを食べたせいで、内臓の調子が悪くなり、死ぬ、夢を見た。


という文章を覚えなければならないとき(?)には、


2フレーズしか覚えられないなら→山田君は 夢をみた、
3フレーズしか覚えられないなら→山田君は、死ぬ、夢をみた。
4フレーズ以上覚えられるなら→3フレーズ+修飾語を好きな順で


と、覚えるでしょう。主張は大事なところが覚えよう。それは、文頭にあるとは限らない(というか、日本語だと文頭と文末が多い)よねということです。


14.情報の境界と対比をイメージするくせをつける

そんな問題が出たらいやですが「複式簿記の長所を述べよ」って出題されたらどう考えますか?まあ、別にテーマはなんでもいいんですが、あまりみなさんが普段解いていない問題を例に出すことが重要なので・・・。


こういうときにすぐに「複式簿記でない=単式簿記の短所はなんだ?」と頭が自然に考えるようにしておこう、というのがここでの主張です。法律の世界の「反対解釈」という考え方は数学の命題の考え方とは少しズレる*1ので気をつけなければならないのですが、


「pはqしなければならない」
「pならばqである」
「pについてはqという特徴がある」


といった文章は、勉強していてよく出てきますね。このときに、「p」と「not p」の両方が浮かべ、その違いをイメージし、それぞれに対してqはどういう関係になっているかを理解しなければ、完全にこの文章を理解できているとはいえないのです。


例えば、「株式会社の特徴を述べよ」と問われれば、当然「株式会社でない会社との違い」がわかっていないと答えられませんよね。「答案を書く」段階で「比較の文章の書き方」の指導をされる先生は多いのですが、当然情報をインプットする時点で、対比をして理解しておいた方が、アウトプットの段階でも圧倒的にスムーズになります


Aを理解することと、not Aを理解することは裏表張り合わせなので、アウトプットの段階だけでなく、理解し、覚え、考え、答案を書くという全てのプロセスで両方を対比しておいた方がよいということです。




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効率的な勉強法を考えるpart5 〜記憶術2〜に続く

*1:「反対解釈」という考え方は数学的にはおかしいのですが、法律の世界では成立するときが多いのです。その理由はまたいずれ