論文試験の得点調整についてpart2 〜足切Fの固有リスクが高い科目は?〜

今日は、通っていた大学へ卒業証明書をもらいに行き、あちこちに郵便を出し、AXLに講座の申し込みに行き、写真を撮りと面倒なことを片付けてきました。キャンパスを歩いていて、「卒業証明書はどこで?」とかうろうろしてたら、昔の教え子Mを発見。声かけると、予想通りちょっとびっくりした表情で「先生何してんの?」というリアクション。変わっていない素直なリアクションに安心しつつ、ごにょごにょといろいろ近況報告。彼女は法科大学院を目指して努力中とのこと。そういうのを聞くと負けてらんないなあ、って思います。
その後、ミクシィにログインしてると友人Mから「AXLにするなら紹介で1万円引きでー」・・・。はい、順番間違えましたね。調べるとどっちも1万円ずつの2万円らしい。うーん。


以下の内容は論文式試験の得点調整について part1 〜得点率か偏差値か?〜の続きです。呼んでいただける方はそちらからどうぞ。
以下本文です。

3.足切Fについて

試験が終わってから、平均で合格ラインを超えつつ足切でおとされた人の話を結構聞きます。結構、えぐい制度ですね。偏差値なら、40をきる人は下からおおよそ16%。昨日の平均化の議論でそれより少なくなるにしても、Fをとってしまう方は10%は超えるのではないでしょうか。このリスク、小さいように見えて結構大きいです。なんせ、論文式試験を受けている人の下から十数%ですから。全答の数値となんか比較できないですよ。短答合格率40%ですから、下手すると短答から受ける全受験者中、真ん中くらいでも落とされる可能性があるんです。これだけでもそうですが、実際にもっと固有リスクが高い科目があります。この足切リスクを


足切リスク=固有リスクA(本人の資質)×固有リスクB(周りの環境)×統制リスク(本人の努力)×神頼みリスク(当日の出来具合)


と分析して(?)、リスクアプローチにより、統制リスクを低く抑えないとまずい科目について考えてみます。固有リスクAと神頼みリスクは分析しようがありませんが、固有リスクBは分析できます。来年も順位のつけ方が同じである、と仮定してですが固有リスクBが高いのは圧倒的に「監査論」と「租税法」です、特に「入門生で一発合格を目指す人」にとっては租税法ですね。


固有リスクが高い理由はまず第一に「この2科目が会計士補込み」であることです。会計士補の方は2科目ですから勉強もしやすく、実際合格率もかなり高かったわけですから、一般受験生ではこの2科目が下から十数パーセントの足切ラインに入った方が相対的に多かったのでしょう


第二に、来年以降は「後がない会計士補の方の割合が増えていく」こと。今年と異なり来年は、J2,3の方と今年だめだったJ3の方しかいないのですから、危機感が上がっていきます。今年J3の合格率が高かったのは危機感が違うため当然で、来年以降は危機感の高い方しかいないわけです。


第三に、彼らは「論文受験者」集団ではなく「論文合格者」集団であること。つまり今年監査、租税を受けた会計士補4500人は全員「論文合格者」です。確かに、科目に今までなかたったかもしれませんが、8%を突破した人たちです。つまり、今年の受験10000人のうち、「今年論文突破」と「過年度論文突破」をあわせると6000人近いんです。そりゃ、下から十数%がくらう足切にもあいますよ。


第四に、これは来年短答を受ける方にとってですが、「租税法」が短答にないこと。いくら足切の可能性があっても、短答に集中せざるを得ないでしょうし、計算科目ですからつめこみにも限界があります。今のうちから、しっかりやる必要があります。


実際に、全体では合格で足切のせいで落ちている人は、たいていこの2科目と聞いています。採点が会計士補には甘かったんじゃ?と主張する方もいらっしゃいますが、そうではないと思います。単に、固有リスクの違いを見落とされたのではないでしょうか?固有リスクの高い科目には、受験勉強資源を多めに配分しないと危険ですよね。特に、全体として合格レベルにある方にとっては。


全体で合格点にいかなかったらしょうがないと思えます(当然通りたいと思ってますけど)が、「足切のせいでもう1年」は大変です。私は食らうとすれば「監査論」だと思いますので、きられないようにがんばります。


4.積算はおそろしい


0.8×0.8×0.8=0.512


掛け算はこわいです。上記の計算式は足切を確率20%でくらう科目が3つあったときに、TOTALで足切をされない確率です。つまり、この条件だと50%近い確率で足切に引っかかります。
もともと下から十数%くらいは足切をくらうわけですから、高い固有リスクを考えれば監査と租税は足切確率2割以上の方はかなり多いはずです。気をつけて、足だけは切られないようにしましょう。




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