連結「修正」仕訳を理解する part1

今日の内容は昨日のsakurakoさんのコメントへの返信です。

うーん。私に連結のことを聞くのは、蛮勇なのですが・・・。がんばってみます。リアルつきあいのある方にはお話したネタですが、私は本試験会場で(今年の連結の問題が難しかったので)「あの連結は埋没だよねー」って話してる周りの受験生の発言を聞いて


「ふーん、埋没連結っていう連結があるのか。ほかには何連結があるのかなあ?」


とか思ってましたから。最近連結を一生懸命やってますけど・・・。まあ、構造に対する考察は好きなのでやってみます。


以下本文です
sakurakoさんがどこでつまっていらっしゃるかをネット上のやりとりだけでつかむのは難しいので、可能性のありそうなところを包括的に書いてみますね。なので、大丈夫なところはとばしていただいてOKです。


連結は、仕訳というよりも、その前提となる構造の理解が中途半端な方が多く、その結果、当然仕訳の意味はわからないという方が多いと思いますので、そこから順に解決しないといけないと思います。ですから、まず連結という問題の構造について考察してみます。

1.連結修正仕訳の必要性

まず、仕訳の意味を理解するにはそもそも「連結修正仕訳」の目的を理解する必要があると思っているのですが、そこでひっかかっている方が結構いるのではないかと思います。


そのもっとも大きな原因は本来「連結修正仕訳」は「合算→連結修正仕訳」の順できる(個別修正は除いています)のに、「連結修正仕訳のみきる練習問題が多い」ことだと思います。すなわち連結修正仕訳の意味と必要性を理解するためには


「連結修正仕訳をもし切らなかったらどんな問題が発生するかを理解する(以前に述べたとおり、情報は境界が重要でもしそうしなかったら何が問題か?、という視点を持つことが大切です)=合算という作業の問題点を理解する
         
ことが必要だと思うのですが、それができていらっしゃらない方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。普段やってるから違和感ないですけど、合算っておかしいですよ。2つの異なる会社のB/Sを単純に足してるんですから。そんな作業したら問題出るはずで、「修正仕訳」をきりたいなら「もとの問題点」がわかってなきゃだめでしょ、ってことです。さて、合算だけだと問題点は3つあると思います。それは


2重計上の問題
日本の財務諸表は「親会社説」を取っているため「少数株主持分をどう扱うか」
連結固有の勘定の問題


です(だと思います)。これらを全てあわせて連結修正仕訳になると思うのですが、1つでも理解を落とすと、仕訳が暗記になると思いますので、順に説明しますね。

2.2重計上の問題

TACの先生のフレーズですが


投資と資本の相殺消去


という言葉のイメージをつかんでいない方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。よく出てきますが「この言葉の意味を説明して下さい」っていわれると「困る」方が多いのだと思います。非常に簿記的で大切な表現だと思いますが、同時に


ダブルカウントの排除


というイメージを持っておくのがいいと私は思います。


例をあげたほうが早いので例を挙げます。2つの会社AとBがあってそれぞれB/Sが
A 現金 1000  資本1000
B 工場  400  借入金300 資本100
とします。このときAがBの株を全て100で買ったとします。連調はなしですね。そうすると合算したB/Sは
借方 現金900、関係会社株式100、工場400
貸方 資本1100、借入金300
ですね。まず、この合算B/Sの問題点を考えましょう。


まず、資産・負債面を見ましょう。関係会社株式の価値に注目すると


関係会社株式の価値(純資産価値)100=工場の価値(資産)400−借入金(負債)300


ですが、この合算B/Sはどちらも計上していますから「関係会社株式」という有価証券勘定と、その中身の「資産と負債」という勘定で「同じものを2回カウントしている」ことになりますね。これはおかしいですね。


と、いうことは資本面からみてもこの「合算」という作業は同じようにおかしいですね。当然、純資産(=資産−負債)がダブルカウントされるということは、それに応じて資本もダブルカウントされているということです。ですからダブルカウントを除く仕訳をきる必要があるわけですね。すなわち


借方 資本100(資本↓)
純資産のダブルカウントによって生じる資本増加を打ち消す       


貸方 関係会社株式100{(投資)資産↓}
ダブルカウントした純資産(=資産−負債)を打ち消す


という仕訳が必要ですね。これがいわゆる「投資と資本の相殺消去」だと思います。それ以外の部分は「投資と資本の相殺消去」ではないと思います。


ごめんなさーい。勉強にもどります。続きはまた明日。




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