ボックス図とワークシート

今日は、昨日のsakurakoさんのコメントへの返信です。
解法がいくつかある問題は予備校を変わると難しいですね。ちなみにボックス図とワークシートはどんな分布なんでしょうか?TACはボックスですね(私の知ってる範囲では)。大原はワークシートって聞いたことがあります。Wセミナーとか、アクセルとかアカスクとかLECとかはどうなんでしょうか?ご存知の方コメントください。アカスクは学校によるのかな?


個人的な好き嫌いはありますが、TACでも大原でも多くの合格者が出ている以上、2つの解法に絶対的な優劣はさほどないと思います。(ワークシートの経験はあまりありませんが)おそらく(と、いうかほぼ間違いなく)最重要なのは


早めに解法を決断して、決断したら振り返らない


ことです。2つの解法を問題によって使い分けるのは難しいでしょう。融合的な問題が出たらその時点でどうしようもなくなるおそれもあります。いずれでいくかの選択は、sakurakoさんの目標年度と、ボックスを用いた学習期間、ワークシートの学習期間、好き嫌いの考量になると思います。というと、投げっぱなしなのでもう少し書いてみます。


まずボックスでいく場合のメリットについて述べます。効率的な勉強シリーズでも述べましたが、きちんと理解して問題を解けるようになるまでには


①問題が解けるようになる(解くことでいっぱいいっぱい)
     ↓
②問題がすらすら解けるようになる(あまり考えずに解けるようになる)
     ↓
③問題をときながら意味を考えたり、他の問題との関連を考える余裕ができる
     ↓
④問題の意味を理解し、形を変えたり、融合して出題されてもできるようになる


という手順を踏むのが通常です。得意な分野であったり、あるいは抽象思考が得意な方は1つめと2つめのステップを踏まないままに3つ目のステップが踏めることもありますが、まあ、例外的です。実際には④にたどりついておかないと、忘れることが多い(長期記憶は一般に短期記憶に比して意味の理解や関連付けなしの丸暗記が難しいのです。一夜漬けで無理やり数字を覚えられますが、語呂合わせをつけたりしないと長期的には忘れますよね。)のですが、①や②の段階でもいったん踏んだことは重要なのです一回目に聞いて問題を解いたときはわからなかったのに、2回目に聞いたときに理解できた、なんて経験はしょっちゅうですよね。(←この効果を最大限効率的にに発揮させるために、復習方法のタイミングについていろいろ述べているのです)ですから、途中段階で解法を変えるということは①②のステップで培った資産を放棄することになり、そのあたりがボックスを貫くメリットです。


次にデメリットですが、ボックスで一通り問題が解けるようになっていらっしゃるでしょうか。たとえば「等級別」等、他にもややこしいものもありますよね。それらが一通りクリアできていらっしゃるでしょうか。先ほどの説明でいうとできれば②の段階、最低限①の段階をクリアしていないと、自分でボックス図を考えないといけませんから(おそらく問題集の解答もワークシートですよね)、そのあたりがネックになると思います。
ボックスを選択されるのであれば、最大の難点は当然「予備校の解説と異なる」ことです。あまり管理会計論が得意ではいらっしゃらないということで、その場合、条件が許せば、


単科でボックスの解法の予備校をさがす
原価計算の問題演習はボックス図で解説されている問題集を買って行う


といったことを検討されてはいかがでしょうか。他の通信に通っていながら無駄にも思えますが「ボックス図で行く」と決断されるのであれば、やむをえないと思います。お金の無駄になる部分もありますが「時間効率をお金で買う」つもりで投資されることをお勧めします。



ワークシートにされるのであれば予備校の解説と合うと思いますのでもし2008年以降の受験目標であればよいと思います。2007だと少し時間的に解法をチェンジするのが難しいように思います。現在、ワークシートの解法に違和感をお感じなのは、慣れの問題だと思います。大原に通っている方はワークシートに違和感がないハズですから。不思議なもので


解けるようになれば違和感はなくなる


と思います。これはおそらく認知神経学や心理学の領域の問題で、「今までの方法ならできたのに、新しい方法のほうがやりにくい」という状況なら違和感を感じ、「今までの方法ならできなくて、新しい方法ならできる」という状況なら違和感を感じない、そういった問題ではないでしょうか。もしワークシートですらすら解けるようになっても「違和感を感じる」ということであれば本質的に違和感を感じていらっしゃることになりますが。